セカンドオピニオンの医師からは意見を伝えられるだけでなく、患者と主治医に意見書が渡されることもある。それをもとに、主治医と再度相談する。

「セカンドオピニオンを聞くことで、主治医が勧める治療への理解が深まり、納得する治療を選択することができるようになります。一方、セカンドオピニオン先に転院を希望する場合は、主治医に理由も含め率直に伝えてください」(若尾医師)

■セカンドオピニオンを受けるときの流れ

1. 主治医の診断と治療方針を聞く
2. セカンドオピニオンを受ける病院を探す
3. セカンドオピニオンの希望を主治医に伝え、紹介状をもらう
4. 希望の病院のセカンドオピニオン外来に申し込む
5. セカンドオピニオン先の医師に聞きたいことや自分の希望を伝える
6. セカンドオピニオンを聞いたら、主治医に必ず報告して今後について相談する

■セカンドオピニオンについてのQ&A

 セカンドオピニオンについて、若尾医師と山口さんに話を聞いた。

Q セカンドオピニオンで何を聞けばいい?

 時間に限りのある中で、初対面の医師に意見を聞くことになりますから、焦って必要なことを聞き漏らさないように準備しておきましょう。まず病歴や現在受けている治療、病状を時系列で整理します。主治医がそれらを盛り込んだ紹介状を用意してくれますが、補足説明をできるようにしておくことが大事。また、あれもこれもと聞くことはできないので、とくにアドバイスを受けたい内容をしぼりこみ、複数ある場合は優先順位をつけます。家族が同席する場合は、質問が重ならないよう事前に打ち合わせをしておきましょう。

Q セカンドオピニオンの病院はどうやって選んだらいい?

「とにかく有名な病院に」と考えがち。しかし病院ごとに得意分野は異なるので、自分のがんの治療実績が豊富な病院や医師を選ぶことが大切。また「開腹手術を勧められたが、腹腔鏡手術を検討したい」など具体的な希望がある場合には、その治療に対応している医師に聞くといいでしょう。迷ったときはがん診療連携拠点病院にある「がん相談支援センター」に問い合わせると、その地域のセカンドオピニオン外来をおこなっている病院や、専門領域などの情報を得ることができます。

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