選手との信頼関係構築が急務=撮影・秦正理
選手との信頼関係構築が急務=撮影・秦正理

「ワールドカップ直前でこのような状況になり、監督を引き受けたことに責任を感じる。ロシアに向け精いっぱいチーム作りをする」

 W杯ロシア大会が2カ月後に迫るなか、サッカー日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(65)が4月7日付で電撃解任された。新監督には日本サッカー協会の西野朗・技術委員長(63)が就任。12日に都内であった会見では、硬い表情で意気込みを語った。

 西野氏はJリーグのガンバ大阪や名古屋グランパスなどで監督を務め、勝利数は歴代トップの通算270。端正なルックスで高校時代から注目されていたと語るのはサッカージャーナリストの六川亨氏だ。

「浦和西高で全国高校サッカー選手権に出ていますが、ハンサムですから女子生徒たちから騒がれていました。高校選手権でのアイドル第1号、と言えるのではないでしょうか。早稲田大学に進学してからは『プリンス』とか『貴公子』と呼ばれていました」

 一躍有名になったのは、1996年にアトランタ五輪で23歳以下の日本代表を率い、ブラジル戦で勝利した「マイアミの奇跡」だ。当時代表だった城彰二氏はこう持ち上げる。

「選手の話を聞いてくれるし、無理なことは言わず、説明や指示は明確です。堅いイメージかもしれませんが、食事の場では冗談を飛ばすなど和ませてくれる。『この人のためならついていきたい』と思える監督でした。完璧な上司と言ってもいいです」

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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