上白石萌音が目指すは“山椒”のような俳優! その心は 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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上白石萌音が目指すは“山椒”のような俳優! その心は

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菊地陽子週刊朝日

上白石萌音(かみしらいし・もえね)1998年生まれ。鹿児島県出身。2011年、第7回「東宝シンデレラ」オーディションで審査員特別賞。14年「舞妓はレディ」で映画初主演。出演映画「ちはやふる-結び-」が公開中。最新出演作「羊と鋼の森」は6月8日公開(撮影/写真部・小原雄輝、ヘアメイク/allure・冨永朋子、スタイリスト/道端亜未)

上白石萌音(かみしらいし・もえね)1998年生まれ。鹿児島県出身。2011年、第7回「東宝シンデレラ」オーディションで審査員特別賞。14年「舞妓はレディ」で映画初主演。出演映画「ちはやふる-結び-」が公開中。最新出演作「羊と鋼の森」は6月8日公開(撮影/写真部・小原雄輝、ヘアメイク/allure・冨永朋子、スタイリスト/道端亜未)

 上白石萌音さんはまさに、鈴を転がすような声である。一昨年大ヒットしたアニメ映画「君の名は。」でヒロインの声を担当した。「ミュージックステーション」では、主題歌の「なんでもないや」を披露するなど、歌手としても活躍している。

「ミュージカル好きで、地元の鹿児島でお芝居が上演されるたびに、両親に観に連れていってもらっていました。自分の歌や芝居が秀でている感覚は全くなく、端っこの端っこで、一人楽しくいられればそれでよかったんです(笑)」

 芝居の世界で生きていける自信はなかったけれど、舞台が好きな気持ちは加速するばかりだった。中学に進学した頃、「舞台俳優になりたい」と両親に相談すると、「そんなに甘い世界じゃない」とあっさり否定されてしまう。そこでもう一つの夢である映画の字幕翻訳家の道を志すことにしたが、そのタイミングで、「『東宝シンデレラ』のオーディションを受けたら?」と声をかけられた。

「それが7年前なんですが、昔も今も、オーディションに受かるたびに、『どうして私が?』という不安な気持ちになります。でも、だからこそいっぱい準備をするんですよね。私の場合、不安を受け入れることが、逆にエネルギーになっているのかもしれないです」

 芝居をする上での楽しみを訊くと、「役を演じるにあたって、いろんな知識を蓄えたり、その役が体得している技を練習したりしながら、いろんな人の人生を垣間見られることです」と、ニコニコしながら話す。

「まだそんなにたくさんの役を演じたわけではないのですが、一つの役を演じるたびに、いろいろな感情が自分の中に蓄積されます。実生活で経験したことも、すべてお芝居に生かされるような感じがあって、たとえ人間不信になろうが、失恋しようが傷つこうが、一瞬一瞬の感情がすべて学びのように、大切に思えてくる。私の心の震動が、誰かの心を震わせるかもしれない。そんな、人の心と心をつなぐ連鎖の中にいられることは、お芝居でしか体験できない喜びです」

 声優、ナレーター、歌手など、俳優以外にも、様々なジャンルで活躍しているが、表現の原点には“舞台”がある。竹中直人さんと生瀬勝久さんの舞台ユニット「竹生企画」では、毎回旬な女優をヒロインに迎えているが、その第3弾では、彼女に白羽の矢が立った。

「すごく気の強い女の子の役で、最初に台本を読んだときは、自分の中にないものがいっぱい入っていると思いました(笑)。私の数少ない野望に、自分の故郷で舞台を上演するというのがあって。鹿児島にいるときはなかなか舞台が来てくれなくて悔しい思いをしたんですが、今回、鹿児島公演があるんです!」

 目指すは、小粒でもピリリと全体を締める、山椒のような俳優だとか。(取材・文/菊地陽子)

週刊朝日 2018年4月20日号


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