厚生労働省は、この現象を「三次喫煙」と定義している。

「公的な機関である庁舎のエレベーターには、妊婦さんや赤ちゃんもたくさん乗ります。すこしでもリスクを減らしたいという思いから、今回の措置に踏み切りました」(市職員)

 さらに生駒市では、6月から、条例に基づき、近鉄生駒駅周辺を路上喫煙禁止区域に指定し、悪質な違反者には2万円の過料を科す。

 この「45分運動」。石川県にある北陸先端科学技術大学院大学も昨年10月から取り入れていた。こちらは大学の敷地にも入ることができず、学生や職員、出入りの業者や仕事で来校するすべての人が対象と、さらに厳しい。

「2020年の東京五輪開催に向けて、健康増進法の改正に国を挙げて取り組むなか、ごく自然な流れです」

 と大学側は淡々と回答する。受動喫煙による死者は年間1万5千人ともみられている。禁煙包囲網は狭まるばかりで、愛煙家に向けられる視線も厳しい。喫煙歴40年の経済アナリスト、森永卓郎氏はこう嘆く。

「いまの嫌煙運動は、喫煙者と非喫煙者の共存を目指す分煙の理念がまるでないのです。社会的なイジメではないかとさえ思いますよ」(本誌・永井貴子)

週刊朝日 2018年4月20日号