以前にも指摘したが、救援陣の充実は先発投手の意識にも大きな影響を及ぼす。「自分一人で投げきらないと」と思うか「六回まで粘っていけば」と思うかで、先発投手の気持ちは違う。一人で長い回を投げることを考えてしまうと、球数を減らすことも考えなきゃいけない。

 攻撃面にも影響を与える。「何点とっても不安だ」と思うか「接戦でいけば終盤に逆転できる」と考えるかで違う。1点をコツコツ積み重ねればいいし、ベンチのサインの出し方もより堅実な形を選ぶことができる。救援陣を強固にすることで、安定した試合運びができるのだ。
 気になる古巣の西武はというと、投手陣の駒不足は否めない。牧田がメジャー移籍するなど、救援投手の駒不足、そして先発はエースの菊池に続く存在が乏しい。打線が爆発的な得点力を発揮しないと、ソフトバンクに食らいつくことは難しいかな、と感じている。

 最近も指摘した通り、レギュラークラスの力量はある程度わかっても、2軍にいる戦力予備軍も含めて、どれだけ質の高い選手がいるかは外部からでは把握はできないものだ。その意味で想定外の選手が数多く出てきてほしいし、それがペナントレースを面白くするものだと考えている。

 日本ハムの清宮やロッテの安田ら期待のルーキーたちは2軍スタートとなったが、必ずチャンスは来る。焦らず、一日一日を大切に過ごしてほしい。

週刊朝日 週刊朝日 2018年4月13日号

著者プロフィールを見る
東尾修

東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

東尾修の記事一覧はこちら