麻生太郎財務相(c)朝日新聞社
麻生太郎財務相(c)朝日新聞社

 証人喚問で「刑事訴追の恐れがある」と証言拒否を50回以上も連発し、安倍首相や麻生太郎財務相を守り切った佐川宣寿・財務省前理財局長。だが、麻生財務相はイラついているようだ。

 3月29日、「森友のほうがTPP11より重大だと考えているのが日本の新聞のレベル」と“舌禍事件”を起こし、30日、謝罪に追い込まれた。

「弁解の余地はないと思う。近畿財務局の方は自ら命を絶ったということも含め、深く反省して頂きたい」(鴨下一郎元環境相)と自民党内でも厳しい声が出た。足元の近畿財務局では佐川喚問後、不穏な空気が漂っているという。

「佐川氏は理財局で改ざんしたと言うが、実際には近畿財務局に押し付けてやらせた。なぜ、そう証言しないのか。やったのは下の者だが、自分が局長だったから責任はある、という言い方じゃないか。当初、それほどの数でなかった改ざん箇所が増えたのは、佐川氏ら幹部がチェックして、『そこもおかしい』とかメールや電話で指示したから。ここまできたら、大阪地検にきちんと調べてもらって、白黒つけてもらいたいくらいだ」(同局関係者)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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