だが、党内は安倍3選を阻止する最強の伏兵がいつ、決起するかと固唾(かたず)をのんで見守っているという。

「小泉純一郎、進次郎親子が石破氏や安倍首相以外の候補を支持したら、一気に政局の流れが変わる。小派閥、無所属も雪崩を打つだろう。進次郎さんは12年の総裁選で石破さんに投票したので、二階さんはその流れを読んで最近、安倍さんと距離を置き始めたのではないか」(同)

 その進次郎氏は党大会後の囲み取材で財務省の決裁書の改ざんについて、「戦後政治史に残る大事件で、あってはならないこと」「この問題を甘く見ない方がいい。深刻なのは『いつまでやっているのか』というウンザリとした気持ちが解決、未解決を問わず、自民党全体に対する大きな不信感につながることが一番怖い」などと勇ましく発言。

 だが、同時にこんな悩みも吐露した。

「私が言っていることは全然、ニュース性もないのに、例えば、『官僚のみなさんに責任を押し付けるような自民党ではいけない』なんて当たり前ですよね。それがなぜか、ニュースになる。この問題は国会議員全体の問題で与党も野党は関係ないのだから。だから、そのまま言っているのに、いちいち『ニュースになる』ことが最近の私の悩みです」

 そして記者に「安倍首相の森友問題の説明は十分だと思いますか。合格点はつきますか」と突っ込まれると、進次郎氏は「自民党員の方に評価を聞いたらいいのではないですか」「私は私でいろいろなことを考えながら……」と沈黙した。

 安部3選か、それとも……。注目したい。

(本誌・小泉耕平、森下香枝/村上新太郎、横田一)

※週刊朝日 2018年4月6日号より加筆