そうそう、ヤンキーとファンシーは紙一重。「ヤバい」と「かわいい」という言葉が、本来の意味を超えてオールマイティーなように、ヤンキーもファンシーも限りなく同じ属性を持っている。それは過剰なまでのこだわりと自己主張だ。

 矢沢永吉のコンサートでみんながタオルマフラーを首にかけちゃうように、ディズニーランドで、みんなミッキーマウスの耳つけちゃう。長渕剛のコスプレにサングラスとバンダナが欠かせないように、ロリータファッションにはヘッドドレスが必要不可欠。

 サンリオのキティちゃんはいつまでも色あせず、かたやヤンキー魂も「荒れる成人式」に「YOSAKOIソーラン」に、EXILEに脈々と受け継がれていく。ヤンキーとファンシーは永遠に不滅なのだ。

 時代をサブカル視点で懐古するこの番組。次はボディコン姿の荒木(久美子)師匠がジュリアナ東京で踊り狂った時代…とマツコで、背筋ムズムズしてみたい。

週刊朝日 2018年4月6日号

著者プロフィールを見る
カトリーヌあやこ

カトリーヌあやこ

カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など。

カトリーヌあやこの記事一覧はこちら