漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「仲村トオルが地井武男にワッパを掛けられた時代…とマツコ」(日本テレビ系 3月19日23:59~)をウォッチした。
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黒柳徹子でも吉永小百合でもYOSHIKIでも、隣にマツコ・デラックスを置いておけば絶対安心。そんなバラエティー界の「ほけんの窓口」マツコの新たな番組は、やっぱりいいツボ突いていた。
妖しい輝きを放つ時代を、マツコと共にディープに振り返るというこの番組。今回取り上げられたのは、不良=ヤンキーが最も輝いていた時代だ。ヤンキー仕様の制服(ボンタン、ドカンなど)に、ヤンキー御用達アイドル(山口百恵から工藤静香まで)。松田聖子の髪形をマネしているのはほとんどブスだったけど、工藤の髪形はブスにもやさしかったって話が好き。確かにスダレ前髪のスタイルは、水商売からカタギのOLまで汎用性が高かった。
ヤンキーの部屋に必ずあったのはケンウッドのミニコンポにガラステーブル、煙草LARKのゴミ箱(缶)とレノマのクッション。パイプベッドの下に隠された雑誌、スコラとアクションカメラ。昭和生まれの私には何もかもが懐かしくて、背筋がムズムズしてくる。
クレージュデザインのパステルカラーのバイク・タクト。まさかこれがヤンキーの購買意欲に火をつけるとは、デザイナーのクレージュも思ってもみなかっただろう。マツコは言う。
「ヤンキーとファンシーは表裏一体。どっちにもすぐ転べるくらい近いと思う」