松坂:海みたいな人だな、と思いました。最初はその広さを知らずに泳いでいるんですけど、自分でそれを理解できるようになって、そこに深くもぐっていって、女性を包み込んでいけるようになって……。そういうやさしさを持ってる人だなと感じましたね。

林:リョウ君って、女性にとってある種の理想像ですよね。美しくて、たくましくて、女性の内面を救ってくれて、彼自身も深い闇を抱えている。そして女性への接し方も一人ずつ違っている。

松坂:でも、リョウみたいな男性っているのかな。あんな海みたいな人。

林:リョウ君みたいな知的な人、なかなかいませんよ。いつだったか、お芝居を見たあとに新宿歌舞伎町の焼き肉屋に入ったら、隣でホストらしき男の人が、焼き肉食べながら客の品定めとか悪口言ってるの。「こんな頭の悪そうな人たちにお金使う女の人がいるなんて」と思って、女性として悲しくなりましたよ。

松坂:その会話、聞いてみたいですね(笑)。

週刊朝日 2018年3月30日号より抜粋