従来は強度近視(視力0.1未満程度)の人が主な対象だったが、今は軽度から中程度の近視や、遠視、乱視などにも対応。同じ視力矯正法であるレーシックをしのぐ勢いだという。
「万が一、問題があった場合、ICLは取り出し、元に戻すことができる。レーシックとはその点が異なります。レーシックは角膜を削るため、元に戻せないのです」(同)
最新のICLは、北里大学で開発された技術が使われている。眼科医で同大の神谷和孝教授によれば、現在普及しているタイプはドライアイにもなりにくく、この治療で老眼が進むこともないそうだ。
「合併症のリスクはほとんどない治療ですが、ICLは“永久コンタクト”とも呼ばれ、同じレンズでずっと見ることになる。自分の度数に合ったレンズ選びが重要で、念入りな検査をしてくれる施設で受けることが大事です」(神谷教授)
今までとは見え方が変わる点に注意と話すのは、中村院長だ。
「夜間、明かりの周りに光の輪が見える“ハロー”が起こります。すぐに慣れますが、説明はしっかり聞いておくようにしましょう」
ICLは自費診療で50万~60万円。レーシックの倍ぐらい、使い捨てコンタクトレンズの約10年分。日々のわずらわしさがなくなることを考えると、お得感もある。興味のある人は眼科医に相談してみてはどうか。(本誌・山内リカ)
※週刊朝日 2018年3月30日号