「吉野家HDの株主優待券は、グループの店舗で使える食事券。優待券は通常、おつりが出ないので、1千円の額面では使い切れないこともあります。吉野家の場合1枚当たり300円相当で、使い勝手が良い」(まる子さん)

 ビックカメラは2月末時点で100株以上500株未満の株主に、5月に2千円相当の買い物券を配る。優待は年2回で、8月末時点の株主にはさらに1千円相当の買い物券を出す。

 イオンは100株以上で買い物金額から3%キャッシュバックする優待カードを発行する。持ち株が増えるとキャッシュバックの割合も上がる(最高7%)。

 まる子さんは優待カタログギフトもお気に入りだ。オリックスは全国の取引先が扱うご当地商品から一つ選べる。同社の優待はほかにもプロ野球のチケットやレンタカー、水族館の割引サービスがある。

 RIZAPグループは、スポーツジムや英会話教室、ゴルフ教室の割引券のほか、健康食品といった多くのグループ商品から選べるカタログを用意する。

「使いやすい優待なのかどうかも考えて、お小遣いの範囲から始めたいですね。あくまで無理をせずに、できる範囲から一歩ずつ投資するといいと思います」(同)

 ほかの専門家にも聞いてみよう。投資教育事業などを手がけるアルゴナビスの清水洋介社長は、菓子の明治HDや食肉加工の石井食品など、その会社ならではの商品をもらえる銘柄を挙げる。カット野菜を扱うデリカフーズHDは、野菜や果物がもらえる。

 優待利回りの高い「すかいらーく」や、優待カードを発行してくれる松屋、地元の特産品をもらえる地方銀行なども注目だという。

 清水氏は「長く保有する姿勢がポイント」だと指摘する。優待を受けるには、株主の権利が確定する「割当基準日」に株を持っている必要がある。注意点は基準日の3営業日前までに株を買わないといけないこと。今年は基準日が3月末の場合、3月27日までに買えばいい。急げばまだ間に合う。

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