3~5時間の仕事の分業派遣をしていく。バイトと考えると、その人に責任の多い仕事を頼むのはちょっと怖いが、マスコミ志望の大学生などに、その部分だけを学んでもらえば、覚えも悪くないだろうし、できないことではない。あとは、65歳以上で定年をされた方を集めてそういう派遣会社をやるのもありかもしれない。なんにせよ、そういう派遣が現れたら需要はありそうだし、ADさんの人数を増やすよりは、いいと思うが。

 働き方改革に伴い、ADさんの改革。そして予算を掛けてくる場所もまた変わってくるのだと思う。

 あとは、会社に所属しないフリーADが続々誕生するしかないだろう。職業ADとして。

 それを徹底的にこなしていく。ただし、どれだけ働いても薄給のイメージのあったADさんだが、こうなってくると、高額ギャラをもらって仕事をこなしていくようになるのかも。

 ADさんはいつかディレクターになるために働いているものだが、「俺、ディレクターになる気とかないっす。職業、ADなんで。その代わり、ギャラ、高いっすよ」と。そんなドラマのキャラのような人が登場することを望む。

週刊朝日  2018年3月30日号

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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