アレクサンドラ・トルソワ 13歳の新星の演技に五輪メダリストたちも脅威を感じたに違いない (c)朝日新聞社
アレクサンドラ・トルソワ 13歳の新星の演技に五輪メダリストたちも脅威を感じたに違いない (c)朝日新聞社
アリーナ・ザギトワ (c)朝日新聞社
アリーナ・ザギトワ (c)朝日新聞社

 ブルガリアで開かれたフィギュアスケートの世界ジュニア選手権で、優勝したロシアの13歳の新星、アレクサンドラ・トルソワがフリーで4回転ジャンプを成功させた。女子では2002年に安藤美姫さんが4回転サルコーを成功して以来の快挙。2種類の成功は女子では初めてだ。

【写真】可愛すぎる!五輪演技後のザギトワ 13歳の新星に脅威を感じる?

 昨年はアリーナ・ザギトワがジュニア世界歴代最高得点で優勝した大会。トルソワはサルコーとトーループの2種類の4回転に挑み、回転不足もなく、サルコーでは出来栄え点(GOE)に2点がついた。解説の村上佳菜子さんも舌を巻いた。
「いやあ、すごかったですねぇ」

 総合得点でジュニア世界歴代最高得点。記録はわずか1年で塗り替えられた。

「4回転」の代名詞、安藤さんは言う。

「男子でも成功させるのが難しい4回転を2種類成功させたことは、本当にすごい。彼女だけでなく、ロシアには4回転を成功させている女子選手がいるので、今後近いうちに、本格的な女子4回転時代がくるのではないでしょうか」

 紀平梨花(15)は今大会で2度のトリプルアクセルに挑戦。いずれも1回転半になったが、元五輪代表の小塚嗣彦さんは明かす。

「紀平選手も試合には入れていないだけで、練習では4回転を跳んでいます」

 小塚さんがグルノーブル五輪に出た1968年は「男子でやっと3回転が始まった時代」だったという。それが今や、男子は「4回転を入れなければ勝てない時代」に。羽生結弦は、4回転半への挑戦を明言した。

「男子は5回転も夢物語じゃない。4回転半ができれば5回転も可能になってくるでしょう」(小塚さん)

 平昌五輪銀メダリストのエフゲニア・メドベージェワが「お手本」と語り、ザギトワが「レジェンド」と評したように、ロシアの選手は羽生のジャンプを研究しているとか。女子選手が羽生超えする日も近い!?(本誌・大崎百紀)

週刊朝日  2018年3月30日号