営業的な側面も考えられる。清宮は“ポスト大谷”候補で、メジャー移籍でできた穴を埋めてほしいのだろう。ただ、担当記者によれば、二刀流の成功体験に基づく育成法へのこだわりもあるようだ。大谷の場合、1年目のオープン戦の打率は1割8分2厘。にもかかわらず、開幕1軍で、しかも8番ライトで先発した。球団としては張本勲さん以来54年ぶりの高卒ルーキー開幕戦先発出場だった。

「そんなスタートを切った大谷が結果を出し、23歳で海を渡った。高卒ルーキーの育成は”2軍でじっくり”が一般的ですが、栗山監督は清宮を1軍のオープン戦に出場させ、打てなくても『素晴らしい経験。これを糧としてくれることを信じている』と語ってましたよね。大谷の育成で成功した日本ハムだからこその発言ですよ」(同前)

 かくして、栗山日ハムは清宮の開幕1軍を現実化すると思われたのだが、さすがに厳しい状況か。

 清宮君は、持っているようで、持ってない? (ライター・黒田朔)

週刊朝日  2018年3月30日号より抜粋