「座席で血行をよくしようと、ふくらはぎのマッサージをする人もいますが、すでに血栓ができていたらそれを肺に向かって送り出してしまいます。かえって危険なのでマッサージはやめてください」(同)

 また、フライト中にトイレに行く回数を減らそうと、水分摂取を制限するのもリスクを高くする。ただしアルコールは利尿作用があるため、体内の水分が減少してしまう。水か薄いお茶がおすすめだ。

「ロングフライトや車中泊による静脈血栓塞栓症は、予防できる病気です。若い世代でもやせていても起こることがあります。油断せずに、正しい方法で予防に努めてください」(同)

■車中泊血栓症の予防法
【1】2~3時間(車中泊では4~5時間)ごとに立ち上がって歩く、脚の屈伸運動をする
【2】1時間ごとに座席に座ったまま、かかとやつま先の上下運動と、腹式呼吸を3~5分おこなう
【3】水分をじゅうぶんとる
【4】ゆったりした服装にする
【5】脚を組まない
【6】不自然な姿勢で寝てしまうので睡眠薬は使用しない
【7】女性や高齢者は通路側に座る

(ライター・別所文)

週刊朝日  2018年3月23日号