著名人がその人生において最も記憶に残る食を紹介する連載「人生の晩餐」。今回、歌手・松崎しげるさんの「餃子会館 磐梯山」の「ぎょうざ」だ。
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もともとスタミナ料理が好き。日大一高の野球部時代、部活帰りによく行きました。いまだに通っていて店のスタッフから「まっちゃん」と呼ばれて50年来のつきあいになります。江戸っ子気質のきっぷの良さも合うんです。
まず3皿(1皿5個)頼んで、あとで2皿追加するのがいつものパターン。箸休めに「もやし炒め」をつまみます。若い頃は8皿ぐらいペロリと平らげましたね。野菜がたくさん詰まってるから、いくらでも食べられる。ちなみに僕は大の辛党。タレは小皿に自家製ラー油をてんこ盛りにして醤油をポトリと落とすだけ。これをぎょうざにつけるとピリ辛がたまりません。日本酒も辛口に近づけるために氷を入れた、自己流“酒ロック”を合わせて楽しみます。
若い頃は大勢で行って2階でどんちゃん騒ぎもしたし、ひとりぽつんとカウンターに座って将来について思いにふけることもあった。そんな僕のルーツを全部見てる。この店なくして僕の人生は語れません。
(取材・文/今中るみこ)
「餃子会館 磐梯山」東京都墨田区両国3‐24‐2/営業時間:平日11:30~13:00、17:00~23:00L.O. 日11:30~13:30、16:00~22:00L.O.*餃子が売り切れ次第、閉店/定休日:土祝
※週刊朝日 2018年3月16日号