そして、最後のテーブルへ。今度は30代前後の、小学校で栄養士として働く女性3人組と話した。この頃にはだいぶ慣れてきて、上っ面トークだけはできるようになった。

 4回ほど回るといよいよフリートークタイム。残り1時間ほど、自由に会場内を移動して、自由に話してくださいというアナウンスがされた。これがなかなかハードルが高かった。

 実は、男性も女性も友人と参加してる割合が多い(様に感じた)。友人と組んで気軽に話しかけたり、かけられたりしてる姿が多かった一方で、一人で参加する男性には、よっぽどナンパしなれているとか、女性に一人で声かけることに抵抗がない限り、かなり心の障壁が高い。勇気を振り絞って声をかけてみたが、相手にされず凹んでしまい、次また別の女性に声をかけにいく気力がドンドン薄まっていった。

 ただ、イベントでは、そういう個人参加の男性や女性が、少しでも楽しめるように工夫はしてある。「ネームカードにある趣味や特技が一緒の人に話しかけましょう!」とか「受付番号の数字が一緒の相手を探しましょう!」と定期的にアナウンスしてくれた。それによって、一人でもなんとなく話しやすい空気を生み出してはいた。

 そして夜9時。イベントはついに終了した。疲れ果てていたところに、スタッフの方が「どうでしたか?連絡先を交換しましたか?」と声をかけてくれた。記者が「きつかったです。女性と何人か交換しましたが、これは無理と思います」とこぼすと、スタッフは笑顔で「そんなことないですよ。女性はメッセージ頂いたら嬉しいものですよ。ぜひ送ってみてください!」と励ましてくれた。

 本当かな?と思いつつ、背中を押された勢いで、帰り道、LINEを交換した小春さん(仮名)に「また機会があれば、食事にでも行きましょう」とメッセージを送った。返信くるのかな…と思っていたら、自宅に到着する頃に返信が着ていた。
「ごめんなさい、お気持ちは嬉しいですが、私の追い求めている人とは少し違いまして…。お互い良い出会いがあるといいですね!」

 ショックを通りこして思わず笑ってしまった。現実は厳しい。

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もう一人の女性の答えは…?