ほんとだったらフフッてなるところ。島おじさんに全力投球なおじさんたちを愛でるところ。でも今はその言葉が、どうにも胸に来る。第1話で「最年長の俺がこんなに元気なんですよ」と言っていた大杉さん。ブランコに乗り、口ずさんでいた「ゴンドラの唄」。「命短し恋せよ……」の歌詞がリフレインする。
「しまっこさん」で行方不明の5人の代役を立てることになった時、付き人兼マネージャー・ジャスミン(北香那)が叫んだ。
「大杉死ンデナイ、ミンナノ心ノ中ニイルヨ!」
なんだよ、これ見た時はゲラゲラ笑ってたよ。それが今はもう笑えないって、なんなんだよと思う。画面の中では変わらず大杉さんが笑顔ではしゃいで、カラオケで「Forever Young」を熱唱しているのに。
バイプレイヤーとは、主役を生かす脇役のこと。でもこの番組はバイプレイヤー自身が輝いて、おじさんが自由気ままに笑ってる空間。そして気づく。バイプレイヤーはいつかそばにいたような、そんな気持ちにさせてくれる人。居酒屋で、スタジアムの席で、こたつで。自分の隣にいたらなぁと思う人。サッカーの話や猫の話、犬の話。他愛のない話をしたかった人。
※週刊朝日 2018年3月16日号