安藤俊介(あんどう・しゅんすけ)さん/アンガーマネジメントコンサルタント。2003年に渡米してアンガーマネジメントを学び、日本に導入。17年4月、厚生労働省「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」委員に就任。
安藤俊介(あんどう・しゅんすけ)さん/アンガーマネジメントコンサルタント。2003年に渡米してアンガーマネジメントを学び、日本に導入。17年4月、厚生労働省「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」委員に就任。
グチを言うのは、嫌な記憶(怒り)をわざわざ再現させる行為。怒りを増幅させてしまう危険性も(週刊朝日 2018年3月9日号より)
グチを言うのは、嫌な記憶(怒り)をわざわざ再現させる行為。怒りを増幅させてしまう危険性も(週刊朝日 2018年3月9日号より)
怒りをため込む人 チェックリスト(週刊朝日 2018年3月9日号より)
怒りをため込む人 チェックリスト(週刊朝日 2018年3月9日号より)
上手な怒り方・6つのルール!(週刊朝日 2018年3月9日号より)
上手な怒り方・6つのルール!(週刊朝日 2018年3月9日号より)

 ちょっと待て! そんなところでカッとしてどうする!? グー(こぶし)で机を叩いたり、後先をかえりみずにグググーとアクセルを踏み込むな! その代償はどれだけ大きいことか。怒りは「技術」でコントロールだ!

【図表でみる】怒りをため込む人 チェックリスト

 あおり運転(前方の車に激しく接近したり、幅寄せしたりする行為)などが含まれる「ロードレイジ」が今、社会問題化している。感情的で危険きわまりない運転による事故・トラブルがあとを絶たないからだ。

「ロードは道、レイジは激怒。運転中にキレて暴力的な行動をとることを総称して『ロードレイジ』と呼んでいます。アメリカではロードレイジの加害者に対してはアンガーマネジメントを受講するよう、裁判所命令が出ることもあります。それだけ車の運転と怒りの感情には深い関係があると考えられているのですよ」と語るのは、一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事の安藤俊介さんだ。そもそもアンガーマネジメントとは何か。

「“怒り”をコントロールすることです。怒らないことがアンガーマネジメントだと考えていらっしゃる方もいるようですが、それは大きな間違いです。怒りは人間が生まれつき持っている感情ですから、なくす必要はないのです。それにもかかわらず“怒ることは悪いこと”と思い込んで、怒りを自分の内側にふつふつとため込むと、心身の不調につながってしまいますよ」

【怒りをため込む人チェックリスト】
□嫌なことがあると、心の中で自分や相手を責める
□怒りを爆発させ、相手との関係を壊したことがある
□暴言を吐いて、後悔したことがある
□気になることを相手に言えずモヤモヤする
□「なぜこんなことで悩むのか」と自信がなくなる

 上にある「怒りをため込む人チェックリスト」(作成・日本アンガーマネジメント協会)をやってみよう。

「この5項目のうち、ひとつでもチェックがつくようでしたら、要注意です。怒りは無理に抑えてはいけません。ただ相手に自分の真意がわかってもらえるように、上手に自分のリクエスト(要望)を伝える方法を覚えることです。これはスポーツをしたり料理をしたりするのと同じこと。どんな人間でも『訓練すること』によって、ある程度の技術は身につけられます。人間、そうそう性格は変えられませんよ。でも“技術”というものは、やる気さえあれば習得できるのです」

 ああ、心に響く天の声。やはり人間、カッとしてグー(こぶし)を握りしめたり、グーッとアクセルを踏み込むリスクは断ち切っておきたいもの。では具体的にどんなことをすれば?

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