「実は2008年にハリウッドで制作されたラーメン映画『ラーメンガール』が公開されました。ブリタニ―・マーフィー(故人)演じる主人公が、西田敏行演じるラーメン店主の下で修行する異色の内容です。ただ、当時はまったく話題になりませんでした。ヒットしない題材にはやはり手を出しません。だからラーメン映画がほとんど作られなかったのかもしれない」(平野さん)

 では、なぜこの時期なのか。平野さんは続ける。

「やはり、昨今増えている訪日外国人が日本の食文化であるラーメンを楽しむ、あるいは日本のラーメン店が海外にどんどん進出する、こういったことが背景にあるのではないでしょうか」

 ラーメンと時代が合致してきた。映画制作の資金も集まっているのだろう。

「キャスティングありきで作ってきたのがアイドル映画。今はラーメンの人気が高いから、ラーメン映画を作ろうという動きがあるということ。ある意味、ラーメン映画はアイドル映画です」(同)

 日本人は昔からラーメン好き。どんな街にもラーメン店は大抵ある。これを機にラーメン映画ブームが一気に広がるのではないだろうか。

「今回のラーメン映画がヒットすれば、横浜家系ラーメン、みそラーメンと、ラーメンの種類だけ映画ができるかもしれません(笑)」(同)

(本誌・大塚淳史)
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