「残業前の疲れて甘いものを欲しやすい夕方6時以降や、忙しくてランチをとる時間がないときなどに購入いただくケースが多い。手軽に小腹を満たせ、糖分補給できる癒やし系ドリンクとしても人気です」(同)

 今年、過去最大の市場規模が見込まれているのが、メンズコスメ。男性用のシャンプー・リンスや、ボディーケア・フェイスケア製品の需要は年々増しており、これに合わせてニオイ対策製品もニーズが高まっている。富士経済の調査によれば、メンズコスメ市場は2012年以降、年々拡大しており、今年は1140億円と、前年比約10%の需要増が見込まれている。

「逆転消費は、日本人がやっと“横並び消費”から脱却し始めた証拠では」

 経済評論家の森永卓郎さんは、逆転消費の傾向を分析する。少し前まで、ランドセルが「男の子は黒、女の子は赤」と決まっていたように、同じ時期に同じ物を買う横並び消費は、日本特有の傾向でもあった。だが今は、ライフスタイルの多様化が進み、“型”が少しずつ消滅しつつある。

「個人消費も多様化し、消費の形も随分と自由に広がった。他人を気にせず、自分の意思によって好きなものを買う流れが強まっています。欧米から見れば当たり前のことですが、日本はそうした概念が遅れていた。これからもっと、いろんな形が見られるようになるでしょう」(森永さん)

 逆転トレンド、乗っかってみれば新たな世界が開けるかも?(本誌・松岡かすみ)

週刊朝日  2018年3月2日号

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松岡かすみ

松岡かすみ

松岡かすみ(まつおか・かすみ) 1986年、高知県生まれ。同志社大学文学部卒業。PR会社、宣伝会議を経て、2015年より「週刊朝日」編集部記者。2021年からフリーランス記者として、雑誌や書籍、ウェブメディアなどの分野で活動。

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