では、首脳会談実現の日程の有力説はいつか。

「与正氏が訪韓時に乗ってきた正恩氏専用機の便名は『PRK615』。615とは、2000年6月15日を示し、当時の金大中大統領と金正日総書記が南北共同宣言をした日です。今年のその日か、遅くても8月15日の解放記念日あたりが考えられます」(同)

 この南北融和ムードに水を差そうとしているのが、米国追随一辺倒の安倍首相だ。安倍氏は平昌での日韓首脳会談で米韓合同軍事演習の早期の実施を求めたという。だが、文氏が「われわれの主権の問題で内政問題だ」と不快感を示している。

 平昌五輪後も、最大限の圧力を掛け続けることが、日米間で一致している。外交評論家の孫崎享氏がこう批判する。

「安倍首相は米国のタカ派路線に乗っかっています。この態度が日本の首相としていいのだろうか。朝鮮半島で有事が起これば、韓国は北朝鮮から必ず攻撃されます。日本も米国の軍事行動に協力的な姿勢を示し始めたから、当然のことながら攻撃される可能性も十分あります。実戦配備されたノドンが200発、300発飛んでくるかもしれません。ところが、米国は、現時点では自国が攻撃される可能性はほとんどない。朝鮮半島の緊張をめぐる安全保障の考え方は、日米で明らかに異なるのです。だから、米国に付き従ってさえいれば日本の安全が保たれるというものではありません」

 日本が北朝鮮の核を排除したいのなら、米国が北朝鮮への先制攻撃をしないよう国際社会に訴えるしかないというのである。 (本誌・亀井洋志)

※週刊朝日オンライン限定記事