一方で“対抗”のカブスはカブスで、一昨年WSを制覇したときのエースで現在はFAとなっているアリエッタ投手の残留を狙っていた。そんなカブスにとって、ダルは、アリエッタの代わりのエースになり得る存在……。つまりは両天秤に掛けられていた、ということらしい。

「カブスはアリエッタに、ダルに提示したのとほぼ同じ条件を提示し、アリエッタが、それ以上の条件を求めたため、じゃ、ダルで、とカブスは舵を切った。ここが運命の分かれ道で、ダルとの合意に至ったのは、その直後でした。ダルとアリエッタは同じ31歳ですが、アリエッタは、22勝6敗、防御率1・77でサイ・ヤング賞を受賞した2015年の翌年は18勝8敗、防御率3・10。去年は14勝10敗、防御率3・53。ハッキリ言って下り坂で、強気になれる場面じゃなかったはずですが」(ベテラン記者)

 つまりダルとカブスは、本命に振られた二番手同士のカップリング、ということになる。今季、ダルが投げてカブスがWSを制覇したら……。縁は異なもの味なもの? (黒田朔)

※週刊朝日オンライン限定記事