コピーライターと上場企業といえば、サイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を運営する「ほぼ日」(糸井重里社長)が知られる。柳澤氏は「糸井さんも、新しい資本主義について考えておられる方。株式を上場され、どんな株主との関係を築いていかれるかなど非常に注目していて、ワクワクして見ています」と話す。

 カヤックは地域資本主義をめざし、地元で様々な活動に動き出した。今年4月、鳩サブレーで知られる地元の菓子メーカー「豊島屋」とともに「まちの保育園鎌倉」を市内に設立する。また、鎌倉拠点の約20の企業や団体で協力し、鎌倉で働く人向けの「まちの社員食堂」の開業もめざしているという。社内でも昨年7月から、鎌倉に住んで働く人を増やすための“鎌倉住宅手当”(月3万9千円)を始めている。

 柳澤氏は「地域資本主義は、20年、30年かかるテーマだと思います。長期戦で取り組みたい」と話す。(本誌・中川透)

週刊朝日 2018年2月23日号より加筆