平野は2本目終了時点でトップに立ったが、悲願の金メダルを目指す平野の前に立ちはだかったのは、スノーボード界の絶対王者、ショーン・ホワイト(米)。圧巻の演技で平野の得点を上回った。競技後のインタビューでは悔しさをかみ殺すように答えた。

「前回も銀メダルで、上を目指すために4年間かけて練習してきた。悔しさは残っていますけど、自分ができる範囲で、全力でやれたのかなと思う」

 高橋さんは「ドキドキハラハラしながら」観戦していたが、メダルの色よりも強く願っていたことがある。

「怪我なく無事に、そして何より楽しんでほしいと願っていました。よく頑張ったなと声をかけてやりたいです」

 インタビューで平昌五輪を「楽しかった。今までで一番の大会だった」と振り返った平野。まだ19歳。4年後の北京での雪辱を期待したい。(本誌 秦正理)

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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