三谷幸喜 中村獅童に“14年ぶり”出演オファーの真相

菊地陽子週刊朝日
「僕は嫌われているんですね」

 1年に1回、大河ドラマ「新選組!」(2004年)の忘年会で当時の共演者と会うたびに、三谷幸喜さんは、中村獅童さんから恨み節のようにそう言われ続けてきた。毎年、多くの舞台や映像作品を手がける三谷さんだが、獅童さんには、「新選組!」以来10年以上、自分の作品に出演のオファーをしてこなかったのだ。

「でも、それは僕が獅童さんを嫌っていたからじゃない。いくら好きな俳優さんであっても、“どんな作品でも出てほしい”というわけではないんです。その人にやってほしい役が見つかったときに、初めて“出てほしい”と思えるわけですから」

 そうして、獅童さんの14年越しの念願がかなうことになった。歴史に名高い江戸城明け渡しを題材にした舞台「江戸は燃えているか」で、獅童さんは勝海舟を演じることに。しかも、三谷さん曰くそれは“大河ドラマには絶対に出てこない、なっさけない勝海舟”なんだそう。

「今回は、実在の人物が“もしかしたらこんなこともしていたんじゃないか?”という想像のもとに、物語を紡いでいくスタイルの舞台ではないんです。そもそもは20年以上前に僕が伊東四朗さんにプレゼンしたプロットが元になっていて、僕が大好きだったNHKの『コメディー お江戸でござる』の台本を、もし自分で書くとしたら……という前提で考えたものでした。とにかく笑える、公開コメディーチックな喜劇がやりたくて。だから、歴史上の人物も、どちらかというと名前だけをお借りする形ですね。“こんな西郷さんであるはずがない西郷さん”も登場しますし(笑)」

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