報道によると、墜落したヘリは、吹っ飛んだとみられる主回転翼の羽根の根元部分に、メインローターヘッドの一部が残っており、この部品が破損した可能性が指摘されている。部品は交換したばかりだった。

「新しい部品には未知数の部分がある。材質的に壊れやすいのかどうかなど、その部品に対する経験値がないから、使用にはリスクがともなう」(同)

 奥出氏によると、そもそもヘリは固定翼航空機と比べ、数倍の部品の点数や種類があり、複雑な動きをする乗り物だという。そう考えると、頭上を飛ぶヘリへの印象も変わってくる。

 この半年を振り返れば、自衛隊や米軍のヘリの事故が頻発している。2017年12月には、沖縄県の普天間第二小学校の運動場に、上空を飛ぶ米軍ヘリから窓が落下。17年10月には沖縄県東村高江で米軍の大型ヘリが不時着し、炎上した。同じく10月に、静岡県浜松沖で航空自衛隊の救難ヘリが墜落して自衛官3人が死亡。民間ヘリも含めれば、17年11月、群馬県上野村で墜落して4人が死亡した。

「われわれの世界では『飛行機事故は連鎖する』といわれています。ジンクスのようなものだが、実態としてそういう傾向があるのも事実なんですよ」(同)

 ヘリには「神の乗り物」というニックネームがついているとか。近いうちにまた事故が起こるかは、神のみぞ知る、ことのようだ。(本誌・大塚淳史)

週刊朝日  2018年2月23日号