損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントのシニア・インベストメントマネージャー狩野泰宏氏も、今後の展開について、「基本的には上昇トレンド。企業業績が良く、陰りがない」とみている。日経平均は「しばらく変動が大きな局面で、落ち着かない感じになるかもしれない」と述べながらも、「(現時点で)経済に何かあったわけではない」と強調する。

 狩野氏は、日本の株価は昨年9月末以降、上がり始めたことに触れ、「ちょっとスピード違反。株価上昇が早く、高くなりすぎた」と話す。そこに、金利上昇への警戒感が出て、急落につながったとみている。

 東海東京調査センターのチーフグローバルストラテジスト平川昇二氏は、米国景気が良いとみており、持続的な景気拡大につなげるためには「長期金利が落ち着いてほしい」という。日経平均について、平川氏は、当面の株価の変動幅がどうなるのかわからず、今後の方向性は「なかなか読めない」と話す。

“波乱要因”といえば、米国の中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)の新議長にパウエル氏が5日に就任したことだろう。1987年にグリーンスパン氏がFRB議長に就任した際には、3カ月で米国株が35%も下落。グリーンスパン氏は、利下げや経済・金融システム支援の用意があると声明を発表し、果敢に対処する姿勢を示していた。新議長はどのような金融政策を打ち出すのか。金融市場は、パウエル氏の手綱さばきを注視している。(本誌・浅井秀樹)

週刊朝日  2018年2月23日号