「Beautiful Death」は、ダイナミズムあふれるドラムス、跳ねるベース、ソリッドなギターが炸裂する爆音パンク・チューン。“愛するものを 愛し続け 真っすぐ生きて きれいに死ぬ”と繰り返し、この社会に染まらないで、沈みゆく船に乗っちゃだめ、と訴えかける。

「Ginger Shaker」は一転して穏やかでメローな曲。“君のことならもう忘れたよ”と、思い出の場面の数々を語る感傷的な追憶のラヴ・ソング。本作でのハイライト曲のひとつとしてあげられる。サビは叙情味のあるメロディーで、かつてのグループ・サウンズ風なのに加え、ポップなコーラスがユニーク。間奏でのギター・ソロは主人公の複雑な心境を物語るようだ。このあたりに前作と違う新味がうかがえる。

「ハノイの彫刻」はギターもドラムもサーフ・ロック的展開。ディック・デイルをほうふつさせる浅井のリード・ギターがいい。この曲も、バンドの新しい取り組みを感じさせる。

 次の「どっかいっちゃった」では、再びスピーディーなロック・チューンを聴かせる。生ギターのリズムが新鮮。メロディーも歌謡曲っぽい味わいがあってポップな展開だ。歌詞では、空のかなたに奇妙な柄の魚が泳ぎ、“この街は水中だよ”とシュールな光景を描く。

 ワイルドなギターがフィーチャーされたインストルメンタルの「Watching TV ~English Lesson~」をはさみ、“バットマン”のギター・リフが痛快な「Turkey」では“Earthyそして Wildな生き方をしようぜ”と歌う。

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