一般入試で志願者増が判明しているのは、前述の日本医科大のほかに、獨協医科大(298人増)、久留米大(110人増)などがある。東大螢雪会の栃木拓郎代表は増加の理由についてこう話す。

「獨協医科大は東京に試験会場を新設した。久留米大は伝統校であり多浪生も合格しやすいため、増えたのだと考えます」

 昨年、新設された国際医療福祉大の一般入試は、募集人員105人に対し、2529人が志願。昨年と比べると240人減っている。

「初年度は新設ということで難易度もわからず、とりあえず受けた受験生も多かったと思いますが、今年度は、本当に行きたいと考える受験生だけが受けたのではないでしょうか」(栃木代表)

 可児さんは、志願者減は試験日に関係しているのではないかと考える。

「試験日がセンター試験の翌々日ですから、国公立大志願者が併願しにくかったように思います」

 国際医療福祉大は面接に1時間(30分×2)かけ、6日間にわたって実施する。ほかにも、面接に力を入れている医学部は少なくない。従来の個人面接に加え、MMI(ある課題について評価者と受験生が1対1で話し合う面接)も行う東京慈恵会医科大。1対1の面接を一般入試では3回、推薦入試とセンター試験利用入試では4回(さらに集団討論1回)実施する藤田保健衛生大。小学生からの賞状などを面接時に持参する順天堂大などがある。

「今後は、さらに面接を重視し、医師になるための資質や覚悟をしっかりとみていく大学が増えると思います」(亀井代表)

 医学部合格には学力だけではなく、医師としての適性もしっかり問われている。(庄村敦子)

週刊朝日 2018年2月16日号