田原総一朗「安倍改憲案への石破氏の異論は正論である」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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田原総一朗「安倍改憲案への石破氏の異論は正論である」

連載「ギロン堂」

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田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年生まれ。ジャーナリスト。東京12チャンネルを経て77年にフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超えた。『トランプ大統領で「戦後」は終わる』(角川新書)など著書多数

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年生まれ。ジャーナリスト。東京12チャンネルを経て77年にフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超えた。『トランプ大統領で「戦後」は終わる』(角川新書)など著書多数

石破氏の主張は正論だ(※写真はイメージ)

石破氏の主張は正論だ(※写真はイメージ)

 一方、野党はいずれも安倍政権下での憲法改正には反対しているが、現憲法下で安全保障の主導権が米国に握られている問題については、ほとんど論議が行われていない。野党は安倍政権の政策批判には熱心だが、いずれの野党も政権構想は示し得ていない。安全保障でも、経済でも、対案を示せていない。だから、安倍一強多弱構造が続くのである。

 それにしても、安倍首相が提唱する改憲案に矛盾があること、つまり石破氏の指摘が正しいということは、安倍首相自身が承知しているはずだ。では、なぜ矛盾した、あいまいな改憲をしようとしているのか。

 一つには、2項削除を表明すれば公明党が反対するのが明らかだからだろう。公明党が反対すれば衆参いずれでも3分の2を獲得できない。仮に他の野党も誘い込んで強引に両院で可決しても、国民投票で否決されることを恐れているのである。

 安倍首相は、本音では、憲法のどの部分をどのように変えるべきか、という具体案を持っているのではなく、戦後、憲法を変えた最初の首相として名を残したいと考えているのではないか。

 現憲法は、敗戦の翌年に占領軍が押しつけた憲法である。少なからぬ国民が、問題点があると認識している。その意味では、与野党が時間をかけて本気で議論すべきである。それを与野党のいずれもが、党利党略の材料としか考えていない。いったいどうなっているのか。

週刊朝日 2018年2月16日号


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田原総一朗

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年、滋賀県生まれ。60年、早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社。64年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。77年にフリーに。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。98年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。早稲田大学特命教授を歴任する(2017年3月まで)。 現在、「大隈塾」塾頭を務める。『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)、『激論!クロスファイア』(BS朝日)の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数

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