岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office

 動物写真家・岩合光昭さんが見つけた“いい(こ)”を紹介する「今週の猫」。今回は、福岡県・藍島の「未来を憂う猫(にゃん)」です。

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 同じ県内にある有名な猫スポット・相島(あいのしま)と同音異字の藍島にも、たくさんの猫が暮らしている。早朝、港を歩いていると漁船をねぐらにしている一匹が、何かくれるの? とでも言いたげな顔をして岸へと跳んできた。手にはカメラしかなく、申し訳ないような気持ちになる。

 最近は、世界中どこの漁港に行っても「昔はもっと猫がいたんだけどね」と言われる。漁獲量の減少で、猫の生存競争も厳しくなっているのだろうか。漁業の行く末を誰よりも案じているのは、猫たちかもしれない。

デジタル岩合 http://www.digitaliwago.com/

週刊朝日 2018年2月9日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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