私は現役を引退してから、コーチを経験することなく監督となった。1軍の選手の気質は理解していても、2軍選手を含め、選手にどうやって考えを伝えるかで苦労した部分がある。若い選手と汗を流す中で、指導者としてのスキルを得ていってほしい。

 2月上旬は西武がキャンプを張る宮崎に行く予定で、中旬には、中日のキャンプ地である沖縄を訪れる計画を立てている。2人がどんな表情で練習をしているかを見るのが楽しみだ。周りの選手とどう接しているかをチェックし、当欄でも紹介させていただけたらと考えている。

 もちろん、多くの球団のキャンプを見たい。日程さえ合えば、日本ハムの清宮幸太郎の試合もチェックする。早実時代に怪物と言われた打者が、プロの球にどのように反応するか。そしてその後の試合でどう修正していくのか。そんな点も感じられたらと思う。

 今年の大リーグと日本の開幕戦は日本時間の3月30日に行われる。メジャー30球団と日本の12球団が一斉に開幕することは記憶にない。メジャーも大谷翔平のデビューとなる日であろうし、野球界にとって大きな一日となるのは間違いない。そこに向かって、選手がそれぞれの思いを背負って練習を重ねる。野球人なら誰もが胸躍る球春がやってくる。

週刊朝日 2018年2月9日号

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東尾修

東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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