会見で頭を下げる「はれのひ」篠崎洋一郎社長(c)朝日新聞社
会見で頭を下げる「はれのひ」篠崎洋一郎社長(c)朝日新聞社

 成人の日当日に営業を停止し、連絡が取れなくなっていた着物レンタル業者「はれのひ」が1月26日、横浜地裁から破産手続き開始決定を受けた。振り袖1200着の保管を確認しているというが、気になるのはその行方だ。

 同日開かれた会見で篠崎洋一郎社長は「購入したお客さまへ着物はお返しする」と被害者への“誠意”を強調したが、実は、それは1200着のうち400着だけ。同社の破産申し立て代理人の弁護士によると、残りはレンタル用などだ。つまり、会社の資産として、債権者への弁済や税金の支払いのために売却できる可能性があるという。

 全国で着物の買い取りを行っている業者のバイヤーは、晴れ着の中古品買い取り価格について説明する。

「基本的には新品の定価の5~10%。経年劣化の具合によって査定されます。状態が良ければ、20%で買い取ることもあるが、めったにありません」

 倒産した会社の商品を買い取ったことはないと前置きしつつ、こう明かす。

「店をたたむとなった際に、買い取り業者に駆け込んでくることはあります。査定をして値段を定めますが、業者によっては定価の1%くらいと二束三文で買いたたくこともある」

 今回のように、大量にある場合はどうなるのか。

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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