情報戦も激化し、皆、疑心暗鬼になっているという。

 春日野部屋では4年前の事件が今ごろになって発覚。2014年9月、兄弟子が弟弟子の元力士矢作嵐に暴行し、あごの骨を折るなどした事件だ(16年6月に懲役3年、執行猶予4年の有罪判決で確定)。春日野親方は「協会には1週間以内に報告した。裁判で公になると思った」と釈明したが、なぜこのタイミングで事件が発覚したのか、疑問が残った。

 さらに、立行司の式守伊之助(58)が昨年末、巡業先で酒を飲み、10代の行事に数回キスをしたという「セクハラ事件」も、伊之助は元日馬富士の暴行事件の現場にいた横綱白鵬の宮城野部屋の所属だったことから、「敵対者からのチクリではないか」(部屋後援者)といううわさが乱れ飛んだという。

 貴乃花一門にも、スキャンダルが勃発。大獄部屋に所属する十両でエジプト出身の大砂嵐が1月3日、長野県山ノ内町の県道で、無免許で車を運転し追突事故を起こしていたとして、長野県警が道路交通法違反の容疑で捜査。大砂嵐は「妻が運転していた」と主張したが、防犯カメラの映像から本人が運転していた疑いがあるという。

 報道されたのは1月21の日夜だった。

「その日の昼までは大鵬の孫が角界デビューし、おかみさんも喜んでいたのに」(地元の住民)

 大砂嵐は貴乃花部屋に出稽古によく出かけていた。

「貴乃花親方も稽古を見て『がたいできてるし、パワーがある。ただ、エジプトでやっていたスポーツのクセは直したほうがいい』と指導していた」(貴乃花一門OB)

 さらに、貴乃花親方にとっては不都合な動きが協会内であり、今後の展開が注目されている。

相撲協会は昨年12月、元顧問の小林慶彦氏に対して1億6500万円の損害賠償訴訟を起こしています。小林氏は貴乃花と親密な関係にある。再び、貴乃花がらみで大問題となる可能性があります」(スポーツ紙相撲担当記者)

 相撲協会の椅子はよほど座り心地がいいらしい。

(本誌・上田耕司)

※週刊朝日オンライン限定記事

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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