伝統野菜の東京うど(撮影/植田真紗美)
伝統野菜の東京うど(撮影/植田真紗美)

 東京都立川市の地下で、怪しげな姿(?)をした植物が生育している。実はここ、れっきとした「畑」! 伝統野菜の東京うどを栽培しているのだ。

【フォトギャラリー】東京地下3メートルで伝統野菜の東京うどを栽培

 地産地消の提唱と共に、各地で古くから栽培されてきた伝統野菜を見直す動きが活発化してきた。

 こうした野菜は、都内でも作られている。江戸っ子が初物を競って食べたといううどは、立川市などで収穫の真っ最中。西武拝島線武蔵砂川駅から徒歩数分。立川市うど生産組合長・鴻地(こうち)文武さんの作業場を訪ねた。

 ザクッザクッと霜を踏みながら、室(むろ)の入り口に向かう。梯子で地下3mまで下りると、高さ130cmほどの横穴が3カ所、T字形に設けられている。真っ暗な中でライトを向けると、白いうどが幻想的に浮かび上がった。カメラを向けたが……レンズが曇っていて撮れない。鴻地さんが説明する。

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