「皮膚ってとても賢くできているんです。冬は冷たい空気から私たちを守ろうとして、毛穴を閉じてキュッとしぼみます。そして皮膚の最表層である角質層も分厚くなりすぎる傾向があります。また肌自体も加齢と共にターンオーバー(生まれ変わり)が緩やかになってきていますから、顔を鏡でじっと見て、肌がくすんでデコボコに見える人は要注意です。それは角質が厚くなりすぎているサイン。そういう場合はスクラブ洗顔料を使って洗顔し、余分な角質はきちんと取り去りましょう。洗顔のときは、お湯の温度は40度くらいで。“ぬるま湯”くらいがいいですね」

 そして乳液ケアへ。

「角質肥厚の心配がないときは、男性は普通の洗顔料で洗顔し、そのあと乳液を肌になじませてください。まず手にとってのばします。そして顔全体に丁寧になじませ、デコルテ(首〜胸元)にもなじませるのです。乳液は皮脂膜の代わりの役目を果たしてくれます。そして乳液のあとローションをなじませて。乳液、ローションで油分・水分が補われ、肌がふっくらしますよ」

 そして女性の場合は、クレンジングでメイクを落としたあと、ホットタオルで顔を蒸す。

「ホットタオルは水で濡らしてしぼったタオルを電子レンジに入れ、簡単に作れます。タオルを600ワットで約1分くらい蒸します。そしてさわってみてちょっと熱いくらいのタオル(約42度)を顔にのせ、蒸気を約30秒ほどあてます。そしてタオルがまだあたたかいうちに、クレンジングで取りきれなかったメイクや肌の汚れを取り去ります。そのあと乳液、ローション。そして女性の場合は最後にクリームで蓋。女性は年齢と共に男性よりも皮脂の分泌が少なくなっていきます。男性は顔にクリームまで塗る必要はないと思いますが、女性はなるべくクリームまで使用して、肌を油分・水分で満たしてあげましょう」

 でも一番大切なのは、くたびれた、しおれた姿になりたくないという「気持ち」。

「以前、男女雇用機会均等法の生みの親・赤松良子さんから伺った、心理学者・多湖輝さんの言葉があります。『年をとったら、“きょうよう”と“きょういく”が大事』。教養と教育ではなく、年をとったら、『今日、用がある』ということと『今日、行くところがある』ということが大事なのです。そうすると、気持ちに“張り合い”が生まれ、自分の容姿のケアもやりがいがあります。年をとっても、スケジュールは自分で作るもの。新しいことをどんどん吸収しながら、しおれない心を作っていきましょう!」

(エディター・赤根千鶴子)

週刊朝日 2018年2月2日号