「県の通達はあまりに理不尽で、受け入れがたい。まず通達が遅い。事前にヒアリングとかもなく、1月4日に突然発表して、15日に説明会だったが、制度運用は8日に既に始まっている。考えられない。県側は、偽物が出回って緊迫していると話したが、寝耳に水で、ロイヤリティ(イラスト利用料)からどれくらい対策費用に使われようとしているのかの説明もない。県として県内企業に対してそういう意識なのかと」

 この企業は本県内で生産して台湾に輸出しているが、今後は厳しくなるとみている。

「海外企業が現地で作れば、価格が安くなるのは当たり前。今後さらに利益を抑えないといけないし、ロイヤリティも払わなければいけない。何もいいことがない。説明会の質疑応答では『質問を持ち帰って、改めて個別に対応します』ばかりで、書類をただ読んだだけ。想定されるであろう質問すら答えられなかった。間に入って制度を管理する広告代理店(アサツーディ・ケィ)の担当者も説明会に来ていなかった」

 前出の企業の担当者はこう嘆いた。

「有料化に決して反対しているわけではない。ただ、徴収する利用料が使われる先として、莫大な費用がかかる偽物対策やアニメ制作に使うのはいかがなものか。県民には何も還元されない」

 熊本県東京事務所の担当者はこう説明する。

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