ケアマネも、親身になって相談に応じてくれる人がいれば、最低限の対応のみの人もいて様々だ。担当地域から外れた事業所を積極的に紹介しないなど、利用者のニーズに必ずしも合わない対応もある。

 家族の入院など介護が必要な状況になれば、ケアマネだけでなく、医療ソーシャルワーカーらにも相談してみるとよい。退院後の介護方法や入居可能な施設などについて、第二の助言を得られる。

 生命保険文化センターの調査によると、介護経験者の介護期間は平均4年11カ月。住宅改造や介護用ベッドの購入などの初期費用は平均80万円、月々の介護費用は平均7.9万円だった。これらの数値から、高齢者1人の介護に必要な費用は約546万円。日々の生活費もさらに必要だ。

 金銭的な負担を抑えるため、介護保険の自己負担額(1~2割)で使えるサービスだけでなく、自治体による安価なサービスの情報もしっかりと集めたい。在宅の要介護者や家族の相談窓口「地域包括支援センター」に行けば、要介護認定の申請やどんなケアプランを受けられるかがわかる。市区町村の中学校区に1カ所あり、積極的に活用したい。

 近年は介護保険外のサービスも充実してきた。配食と見守りを兼ねたサービス、公共交通機関での外出が難しい人向けの移送サービス、寝具乾燥サービス……。自治体が独自に発行する小冊子「介護保険のしおり」などを読み、様々な支援策の情報を収集すると、無駄な費用を使わずに済む。

 淑徳大の結城康博教授(社会保障論)は「預貯金があると、ついお金でなんでも解決してしまいがちです。しかし、無計画にお金を使うと、後になって介護者自身の生活を窮迫させてしまいます」と指摘する。

週刊朝日  2018年2月2日号