一挙手一投足が注目される清宮 (c)朝日新聞社
一挙手一投足が注目される清宮 (c)朝日新聞社

 西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏は、ルーキーの1、2軍の振り分けについて解説する

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 日本ハム清宮(早実)の米アリゾナキャンプでの1軍スタートが決まった。宮台(東大)ら大卒選手がそろって2軍スタートとなる中、高卒選手で堂々の抜擢(ばってき)だ。この時期になると、1、2軍の振り分けが各球団で行われるが、監督や首脳陣が見なければいけないのが、プロのキャンプを完走できる体力がついているかどうかだと考えている。

 西武の監督として、1999年2月の高知・春野キャンプに高卒ルーキーの松坂を1軍スタートさせた。その時も「体力面」をトレーニングコーチに確認した上での決定だった。ただ、キャンプに入ってからも、序盤はとにかく「プロのキャンプにしっかり余力を残してついてこられるか」だけを見た。10日程度たっても、バテている感じはない。そこで私は「高卒のルーキーではなく、プロの先発投手の一人として考えられる」と、ようやく確信を持った。

 ただ、その頃は「高卒」「大卒、社会人」という大まかなくくりである程度の判断をし、1、2軍の振り分けができたが、今は時代が違う。昨年夏の甲子園大会では、新記録となる68本塁打が生まれた。どの選手もスイングスピードが速い。科学的なトレーニングを導入し、体幹から高校生のフィジカルが上昇していると感じた。

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東尾修

東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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