東出:芝居が嫌い、嫌いと、口では言いますけど。僕もそうなんですが。どこかで好きなんですよね。

一之輔:ところで、ずっと気になってたんだけど、東出さんは、人と目を合わせるの、得意?

東出:今日は努めて目を合わせるようにしているんです。普段は見ません(笑)。

一之輔:僕も。

東出:そんな2人が対談しているので……やたらと目が合う(笑)。

一之輔:目を合わせるの……やっぱり苦手……。でも目が合うのはうれしい。

東出:2人の世界がそこに生まれます。

──最後に、本書で印象に残った話を聞いた。

東出:楽屋でどう話していいかの話、共感しました。楽屋に行って、「すごくよかったです」って、そんな臆面もなく言えないような……しかも、僕になんか言われたくないだろうにって。

一之輔:そういう神経の持ち主、好きだな。僕は、楽屋にがんがん来る人は苦手です。卑屈なくらいのほうが好き。この本に何を書いたか、ほとんど忘れてしまったんですけど、それ書いたのはよく覚えていますよ。何か見に行ったんだよな。えーと誰の舞台だっけ……。

東出:この場合、名前は出さないほうが(笑)。

一之輔:ははは(笑)。そうですね。

(構成/本誌・工藤早春)

週刊朝日 2018年2月2日号