平昌五輪で主将を務める小平奈緒 (c)朝日新聞社
平昌五輪で主将を務める小平奈緒 (c)朝日新聞社
平昌五輪で旗手を務める葛西紀明(写真は2017年11月5日、札幌・大倉山の全日本選手権で優勝した時のもの) (c)朝日新聞社
平昌五輪で旗手を務める葛西紀明(写真は2017年11月5日、札幌・大倉山の全日本選手権で優勝した時のもの) (c)朝日新聞社
平昌五輪で主将を務める小平奈緒 (c)朝日新聞社
平昌五輪で主将を務める小平奈緒 (c)朝日新聞社

 開幕まで1カ月を切った平昌五輪。代表選手が続々と決まる中、注目されていたのが日本選手団の誰が主将と旗手を務めるかだった。

【写真】騎手を務めるレジェンド・葛西紀明

 主将はスピードスケート女子の小平奈緒(31)、旗手はノルディックスキー・ジャンプ男子の葛西紀明(45)が選ばれた。

 3大会連続出場の小平は、今大会の日本代表選手の中でも、金メダル最有力候補。500メートル、1000メートル、1500メートルの3種目で出る予定だ。今シーズンのW杯では500メートルで連勝記録を伸ばし、1000メートルでは世界新を出すなど絶好調。金メダルへの期待は当然高まる。

 一方、“レジェンド”葛西は、8大会連続の出場。前回ソチ五輪では41歳にして、ラージヒル個人で銀メダル、団体で銅メダルを獲得した。今シーズンはW杯で表彰台に上がれず調子を落としている印象を与えているが、1月13日のW杯第12戦個人で今季自己最高の5位に入るなど復調の気配が出始めている。

 葛西は、ソチ五輪後から狙っていたといい、「本当に光栄なこと。調子も上がってきたので気合を入れて旗を振りたい」と意気込みを語った。

 実は冬季五輪の主将には、あまりありがたくないジンクスがある。冬季五輪主将は金メダルを取れないというもの。これまで数多くの金メダル有力選手が、主将をつとめたが、まだ誰も取れていないのだ。前回ソチ五輪主将の葛西は前記の通り、銀メダルと銅メダル(十分すごいのだが)だった。

 例えば、1998年長野五輪で主将だったノルディック複合の荻原健司は、それまで五輪や世界選手権で何度も金メダルを取り“キング・オブ・スキー”の異名で恐れられていた。しかし、長野五輪では個人4位、団体5位だった。

 一方、旗手の方も、1998年長野五輪でスピードスケートの清水宏保が金メダルを獲って以来、金メダルどころかメダルも獲れていない。

 7大会連続で冬季五輪を取材するライター・折山淑美さんは、2人にかかるジンクスについて楽観的に見る。

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