老人は「つねに小児を養うように」江戸時代から語られる介護の重要性 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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老人は「つねに小児を養うように」江戸時代から語られる介護の重要性

連載「貝原益軒 養生訓」

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帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「死を生きる」(朝日新聞出版)など多数の著書がある

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「死を生きる」(朝日新聞出版)など多数の著書がある

親の心をなぐさむべし(※写真はイメージ)

親の心をなぐさむべし(※写真はイメージ)

「人の子であるからには、自分の親を養う道を知らないことは、あってはいけない。親の心を楽しませ、親の心にそむかず。怒らせず、憂(うれ)いを持たせないようにしなければいけない」(巻第八の1)で始まり、「盗賊、水害、火災などの災難があったときには、まず両親を驚かさないで、早く助けださないといけない。老人は驚くと病気になる」(巻第八の2)、「栄養がおろそかになってはいけない。酒食はよく吟味して味のよいものをすすめるべきである」(巻第八の8)と続きます。

 そして、親をさびしがらせてはいけないと説きます。「年老いてからさびしいのはよくない。子たる者、時々そばにいて、古今の事を静かに話して、親の心をなぐさめるのがいい。友人や妻子とは仲良くして、父母を敬遠するのは、道理に背いて、最高の不孝である。愚かなことである」(巻第八の11)というのです。

 私の両親は実家から6、7分のところに店をかまえて玩具商を営んでいました。夜の7時すぎに店を閉め帰宅して、二人だけで夕食をとるので、そのころを狙って、たびたび訪れました。

 二人ともじつにうれしそうな表情で、母は台所から酒の肴を二、三品とお燗をつけたお銚子を運んでくれました。二人とも死ぬまで商売に熱心だったので、さびしさはあまりなかったのではないかと思うのですが、あれが私の数少ない親孝行だったのかもしれません。

週刊朝日 2018年1月26日号


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帯津良一

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など多数の著書がある

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