愛知県豊山町で2017年12月、野球少年たちに手を振るイチロー (c)朝日新聞社
愛知県豊山町で2017年12月、野球少年たちに手を振るイチロー (c)朝日新聞社

 アメリカで新たなユニホームに身を包むのか、日本復帰か——。

 イチロー(44)の去就が決まらない。米大リーグ・マーリンズが契約延長の権利を行使しなかったことで自由契約となり、早2か月。その間、いくつかの球団名が報道されるも契約までは至っていない。

 イチローは「50歳まで現役」と語っており、ユニホームを脱ぐことは考えにくい。今シーズンは代打中心とはいえ136試合に出場。代打安打で球団のシーズン最多記録を打ち立てるなど、存在感を見せた。手をあげる球団はありそうだが……。

 交渉の進展が見えない中、MLB公式サイトは16日、イチローの代理人を務めるジョン・ボッグス氏が日本球界復帰を示唆したと発表。長年活躍した古巣マリナーズや、外野手の層が薄いパドレスとの交渉が不調に終わったというのだ。
 
 これに色めき立ったのが、オリックス。かねてより、「日本でプレーするのであればうちに戻ってきてほしい」とラブコールを続けているが、オリックス関係者は改めてこう語る。

「メジャーに喜んで送り出し、その後も毎年、イチローが帰国すれば練習場を提供してきました。宮内オーナーはほぼ毎年、イチローと食事を共にしていますし、イチロー自身も『神戸はいいな、帰ってきた気分ですよ』と言っています。戻るならうちしかないでしょう」

 そこには、いつか日本に戻ってくるのなら手を差し伸べたいという、イチローへの愛がこもっている。しかし、愛情だけではなく、戦力としても計算しているという。

「イチローは今後、メジャーでは厳しいでしょう。メジャーでの立場は控えの外野手。外野手は、捕手や内野手に比べれば怪我が少ないので、控えはたくさんいらない。各チームの補強の優先順位としては低いところにいます。日本ならまだチームの戦力になります。メジャーは休みなしで連戦、長距離遠征もあります。日本の方が体力的には楽ですよ」(前出のオリックス関係者)

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オリックス宮内オーナーの本心は?