その結果、消費者が頼るのが「インフルエンサーの存在」だ。有名人がテレビやSNSで薦めるからと、考えない買い物に変化しているという。スマホによる情報更新は格段に速く、はやり廃りは目まぐるしい。

「わかりやすさや見た目、インパクト重視になり、一瞬の流行で終わる商品が増えているように思います。今後、ロングセラー商品を生むには新たな知恵が必要です」(同)

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 流行にこぞって飛びつく傾向の90年代には「カルピスウォーター」「桃の天然水」など業界を驚かせたメガヒット商品が誕生。2000年前後は健康を意識して手軽に買える「毎日骨太MBP」や「ヘルシア緑茶」がヒットした。情報過多の10年以降には、「鮮度の一滴」や「太陽のマテ茶」など、商品名のインパクトが印象的だ。そんな見方で平成のヒット商品を振り返るのもおもしろいかもしれない。(本誌・秦正理)

週刊朝日 2018年1月26日号

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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