iPhoneを差し込むと“なんちゃって”スピーカーになる卓上カレンダー「BOOZS」(トーダン)
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「お金が貯まる暦2018」(アルタ)
「お金が貯まる暦2018」(アルタ)

 真新しいカレンダーを前に、どんな予定を書き込んでいこうかと、気持ちも弾む新年。コミュニケーションを図れるし、カラフルにすることで前向きになれるし、夢をかなえるツールとしても活用できそうです。

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 昨年末にカレンダー売り場に足を運び、驚いた。旅行気分を楽しめるような美しい風景はカレンダーの王道だが、そのほかにもお薬ポケットがついたり、貯金ができたり、音楽プレーヤー型や金運を上げるタイプまでバラエティーに富んでいる。

「カレンダーとは、自分の人生計画を読む道具です」

 創業115年のカレンダートップメーカー、東京都荒川区の「トーダン」代表の強口(こわぐち)邦雄さんの言葉は説得力がある。思い出されるのは、亡き祖父が入院中、枕元にかけたカレンダーに一日が過ぎると太字の油性ペンで大きくバツをつけていた姿だ。どんな思いだったのか……。

 カレンダーの歴史を見ると、生活様式に合わせて活用されてきたのがわかる。昔は天皇の行事がメイン。今は人々の生活に密着した行事が掲載されている。

「江戸時代はカレンダーが生活を華やかに彩る存在でした。今は節分やハロウィーンの日まで入っているが、これはうっかり忘れないため。私も過去に節分の豆を買うのを忘れて帰宅した苦い体験がある。あわてて近くのコンビニに行ったが、どこも売り切れ(笑)」(強口さん)

 最近は、時計も手帳も持ち歩かず、携帯電話一つで間に合わせる人も多い。その一方で、アナログなカレンダーに注目が集まるのはなぜだろう。キーワードは「コミュニケーション」だ。

 東京・渋谷の「渋谷ロフト」で、毎年9月1日の発売日には開店待ちする客がいるほどの人気を集めるのが「ほぼ日ホワイトボードカレンダー」(ほぼ日)。ホワイトボードとカレンダーが一体化し、自宅やオフィスでスケジュールを管理できるだけでなく、余白にはちょっとしたメモが書き込める。家族内でけんかをすれば、「昨日はごめんね」とさりげなく書いたり、子どもが「週末、どこかに連れていって」と親にせがんだり。キャッチコピーは、「ファミリーコミュニケーションツール」。

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