薬物混入を起こした鈴木康大選手(c)朝日新聞社
薬物混入を起こした鈴木康大選手(c)朝日新聞社
鈴木選手が運営するスポーツジム(撮影・桐島瞬)
鈴木選手が運営するスポーツジム(撮影・桐島瞬)
小松選手のパドルを隠していたという地元の漕艇場(撮影・桐島瞬)
小松選手のパドルを隠していたという地元の漕艇場(撮影・桐島瞬)

 ライバル選手の飲み物に禁止薬物を入れるなど、妨害行為を8年前から続けていたカヌーの鈴木康大選手(32)。妻の父親で所属する久野製作所社長の久野浩二氏(55)は、事件が発覚した翌日の1月10日早朝、本誌に涙ながらに胸の内を明かした。

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 浩二氏が鈴木選手から衝撃の事実を打ち明けられたのは昨年11月。

「本人から話があるというので聞くと、深刻な顔で『本当に取り返しのつかないことをした』と事件の経緯を話し始めました。私の五十数年の人生でも聞いたことのない、とんでもない大変なこと。すぐに関係する方に連絡を取ると、『これから報告をするのでしばらく胸の内においてほしい』と言われました。捜査中の石川県警からも『問題となるような行動をとらないように』と連絡があり、今まで事態を見守ってきたのです」

 千葉県出身の鈴木選手は2015年、妻の綾香さんの地元である福島県二本松市の住宅地に敷地面積136坪に上る家を新築。その翌年には隣にスポーツジムを開く。義父の浩二氏は市内で建設業を営み、綾香さんは08年の北京オリンピックにカヌー競技で入賞。その後、鈴木選手と結婚するなど、地元では有名な一家だった。

「娘が地元に恩返しをしたいということで私が後押ししてジムを開きました。康大が二本松にいるときには生徒さんへ指導もしています。その間も仲間の選手へ妨害行為をしていたことは全く気付きませんでした」

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