「米連邦議会や米国防総省は世界各国で米海兵隊の事故が頻発する原因として、軍事予算削減による整備不足をあげていますが、これに加えて沖縄では北朝鮮情勢緊迫化に伴う訓練増加が重なって、年末から年始にかけてヘリ事故が相次いだと考えられます。まず全機種点検と安全確認をするべきです」

 辺野古新基地建設が最大の争点の名護市長選のテコ入れで昨年末の12月29日には菅義偉官房長官、1月4日にも二階俊博幹事長らが相次いで沖縄入りしたが、訴えたのはヘリ運行停止ではなく、名護東道路の完成前倒しなどの公共事業推進(地元への利益誘導)。札びらで住民の頬を叩くようにして米軍基地受入をゴリ押ししようとしている。

 これに対して野党は一斉に反発、通常国会での論戦を挑もうとしている。二つのヘリ不時着をすぐに現地調査をした共産党の赤嶺政賢衆院議員(沖縄1区)は、低空飛行禁止など米軍機への規制強化のために「通常国会で日米地位協定見直しの論議をすべき」と強調。立憲民主党の枝野幸男代表も米国にモノが言えない安倍政権を批判、希望の党の玉木雄一郎代表も民進党の大塚耕平代表も日米地位協定見直しに前向きの姿勢を示している。そして15日には合同で沖縄ヘリ事故合同視察をすることにもなった。海外では低空飛行禁止など制限は当然の権利だが、日本が未だに占領国状態が続いていることを暴露した相次ぐヘリ事故。

 与野党激突の政治課題となり、名護市長選に大きな影響を与えることにもなりそうだ。(ジャーナリスト・横田一)

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