うるま市伊計島のヘリ不時着現場(撮影・横田一)
うるま市伊計島のヘリ不時着現場(撮影・横田一)
うるま市伊計島のヘリ不時着現場(撮影・横田一)
うるま市伊計島のヘリ不時着現場(撮影・横田一)

 沖縄で相次ぐヘリ事故に翁長雄志知事は「県民が日常的に危険にさらされている。日本政府は当事者能力がなく、恥ずかしさを感じてもらいたい」と安倍政権への怒りを爆発させた。

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 官邸と自民党、公明党が力を入れる名護市長選(2月4日投開票)での対決の構図がさらに強まった。

 米軍海兵隊用の辺野古新基地建設をゴリ押し、ヘリ事故が起きても米国にモノを言わず、住民軽視の安倍政権に対し、イエスかノーかを問う県民投票のような様相を呈してきたためだ。

 読谷村残波岬を臨むリゾートホテルから約400mのところに米軍ヘリ「AH1」(普天間基地所属)が不時着した8日、すぐに現地確認に駆け付けた石嶺伝実村長は記者団にこう怒りを露わにした。

「立て続けに米軍ヘリが不時着し、極めて異常な状況が起こっている。沖縄は米軍の占領地ではないはず。原因究明まで一切の米軍機の飛行を停止してほしい」

 第一通報者の農家の儀間恭昇さんも「米軍は日本の法律を超えた存在で何をやっても許される。菅官房長官は『日本は法治国家』と言って辺野古新基地建設を強行しているが、本当に法治国家なら住民を危険にさらす低空飛行を禁止すべきだ」と批判の矛先を安倍政権に向けた。

 しかし沖縄県警と米軍の規制線の前に続いて現れた沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長は不時着が起きたことを謝罪したものの、米軍へ飛行停止は求めなかった。

 これに対して翁長知事は再発防止には原因究明と対策実施が不可欠として「米軍ヘリの全機種点検と安全確認までの運行停止」を求めていたが、政府が行ったのは形だけの申入れだったのだ。

 そして「米国第一・日本国民の命は二の次」の安倍政権の姿勢を見越すかのように米軍は翌9日、ヘリの飛行を再開させたのだ。

 2日前の6日にはうるま市伊計島に同じ普天間基地所属の「UH1Yヘリ」が不時着、8日につり上げ撤去が行われたばかりだった。12月にも7日に宜野湾市の緑ケ丘保育園に大型輸送ヘリ「CH53E」の部品が落下、13日にも普天間第二小学校にCH53E の窓枠が落下するなど事故が続いている。琉球新報の普久原均局長はこう分析した。

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